政明は幼い頃に母と別れて以来、ずっと父と2人で暮らしてきた。政明の記憶の中の母・恵麻は優しく、美しかった。そして時は過ぎ、政明が25歳の誕生日を迎えた日、母から手紙が届いた。そこには20年ぶりに会いたい、と記されていた。政明は喜んで会うことに決めた。再会の場所は昔親子3人で行った、ある温泉地だった。この時の政明は、母への憧れが恋愛感情へと変わっていることに、自分でもまだ気付いてはいなかった…